AnscoflexUは1954年に発売。ボディ・デザインは煙草のラッキーストライクとかピースのパッケージをデザインしたRaymond Loewey。
ボディはプラスチックではなくブリキのプレス加工。ボディ前面のシルバーに輝くシャッター(本機はあまり輝いてないが)を引き上げるとファインダーの扉もいっしょに開くようになっている。
シャッターの赤いロゴがカッコイイ。
たまたま中古カメラ屋でこのカメラの姿を見かけ、そのデザインに魅了された人も多いかもしれない。
しかしなんだか高いのか安いのかわからないその値段、さらにフィルムが120ではなく620という事実を知り購買意欲を喪失する... そんな経験を何度か経た後、ついにジャンクで汚いのを買ってしまった。必死に磨いたらそこそこ綺麗になったので、現在、部屋の机の上に飾ってある。
二眼レフだが距離は固定、シャッターも固定、おまけに絞りも固定! とにかく構図を決めてシャッターボタンを押すだけ、あとは現像・プリントでなんとかせよ、というカメラ。
ファインダーは妙に明るいが、見る角度によって像が歪み、覗いてるとだんだん気分が悪くなってくる。
巻き上げレバーは、これが90度しか回転せず、巻き上げるにはキコキコと何度も動かさねばならない。赤窓式だが、これは絶対カブるだろうなあ。
ボディ前面下部の二つのレバー。デザイン上のポイントとなっているが、回すとイエローフィルターとクローズアップレンズがセットされる仕組み。ストラップは純正。ボディと同色で、こういうところが凝っている。
ANSCO社というのは、もともとE.&H.T.Anthony社とScovill&Adams社とが合併してAnthony & Scovill社となり、これを短縮してANSCO社となった。
その後ドイツのAGFA社の資本参加によってAgfa Ansco社となり、さらにGeneral Aniline Film社、これを略してGAFと社名を変えることになる。
ここまで書いたが、まだこれで撮影したことはない。まあだいたいルビテルとホルガの中間くらいの写りだろうと予想しているが、問題はスプール。620のスプールさえあれば120のフィルムを巻き直して使えるのだが、620のスプールというのは売っていても高い! それで120のスプールを加工して使おうと思ったのだが、これが巧く行かない。このカメラはスプールを嵌め込む部分がけっこうシビアなようだ。当分はオブジェとして活用することにしようか。
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